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呉服屋のあるじは、寂しがるあんにゃに『裂き織り』を教えてやったとさ。


@むかーし、昔。
あるところに、機織り場をのぞいたばかりに、嫁っこに去られた、あんにゃがいたとな。
寂しゅうて、寂しゅうて、泣いてばかりいたとさ。

或る日、反物を納めに来なくなったので、心配した呉服屋のあるじが、あんにゃの家を訪ねてきたとな。
「やっぱり!・・見事な織物でした。身をけずっての恩返し・・・」

呉服屋のあるじは、寂しがるあんにゃに『裂き織り』を教えてやったとさ。
古い布を細く裂いて長く繋ぎ、それを緯糸(よこいと)にして織る『裂き織り』は、あんにゃには難しかったとな。
それでも、嫁っこの残した機だからがんばってみたとさ。
おぼつかないカラ、カラ、トン、トン。カラ、カラ、トン、トン。だとさ。

疲れて手を休めたら、嫁っこを思い出して、涙が止まらなくなったとさ…


あんにゃの機織りは毎日、毎日続いたとな。反物が織り上がると、たいした品でないと解っていても、呉服屋のあるじは買ってくれたとさ。

新潟の語り部ちりめん越後06
Aあんにゃの機織りは毎日、毎日続いたとな。
反物が織り上がると、たいした品でないと解っていても、呉服屋のあるじは買ってくれたとさ。

冬が来た。
北の方から鶴の群が降りてきた。
「嫁っこが帰って来た!」
鶴達は、餌をついばんだり、舞を競ったりしているが、あんにゃのそばには来なかったとさ。

「次の冬になれば、また来ましょう。あなたは機織りに精を出して、早く腕を上げなさいませ。」
カラカラ、トントン。カラカラ、トントン。
あんにゃは励まされて、また機を織ったとさ。

B寝る間も惜しむあんにゃの機織りの技は、なかなかのものになってきたとな。
「嫁っこが帰ったら、機織りは俺がする」と決めていた。


寝る間も惜しむあんにゃの機織りの技は、なかなかのものになってきたとな。「嫁っこが帰ったら、機織りは俺がする」と決めていた。


Bあんにゃの機織りは毎日、毎日続いたとな。
反物が織り上がると、たいした品でないと解っていても、呉服屋のあるじは買ってくれたとさ。

冬が来た。
北の方から鶴の群が降りてきた。
「嫁っこが帰って来た!」
鶴達は、餌をついばんだり、舞を競ったりしているが、あんにゃのそばには来なかったとさ。

「次の冬になれば、また来ましょう。あなたは機織りに精を出して、早く腕を上げなさいませ。」
カラカラ、トントン。カラカラ、トントン。
あんにゃは励まされて、また機を織ったとさ。

B寝る間も惜しむあんにゃの機織りの技は、なかなかのものになってきたとな。
「嫁っこが帰ったら、機織りは俺がする」と決めていた。


人の姿になった嫁っこが、うれしそうに機織り場の入り口に向かって行った…























Cその年も鶴達がやって来た。

さむーい、寒い日だったとさ。
あんにゃは心配になって、鶴の様子を見に行く途中だったとな。
鎮守さまの松の木がこごえそうに震えていたとな。
あんにゃは、だいじな裂き織りの反物を惜しげもなく、幹や枝に巻きつけてあげたとさ。
鶴達には温ったかい・まんま・を持って行ったとさ。

カラカラ、トントン。カラカラ、トントン。
今日の機は調子がいい。

障子窓に、機の音で寄って来た鶴の影が映っていたとな。
あんにゃは一生懸命、機を織っていたとさ。
今は鶴が近くに居てくれただけでも幸せだと思うようになっていたとさ…

その時、鎮守さまの松の葉が、風でヒューと飛ばされて、鶴の身体に刺さった!
なんと不思議な事に!鶴の姿が、昔の嫁っこの姿に変わっていたとな。

人の姿になった嫁っこが、うれしそうに機織り場の入り口に向かって行った…新潟の語り部ちりめん越後09

とさ…
           絵  みずとありさ  ・  文  イチコクヤ亭主






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